今回の「頑張れ、柴田理帆選手!」シリーズは、講道館杯が行われている千葉ポートアリーナからお届けします。
柴田選手の筑波大学の柔道衣姿を試合場で見るのも今日が最後と思うと、4年間があっという間に感じます。
筑波大学に入学するときに、柴田選手が自分の教え子でもないのに心配で心配で、高体連フランス遠征で御一緒した津金恵さんに連絡して「柴田選手をよろしくお願いしますね」と頼んだのが昨日のことのように思い出されます。
4年間のいろいろなことを思い出しながら迎えた初戦は、いきなり今夏の全日本実業柔道個人選手権大会優勝の大辻瑛美選手(旧姓・金子(自衛隊体育学校))です。
戦前に本松好正先生(埼玉栄高校)とお会いした時には「柴田は初戦(の相手)がきついんだよ。実業団優勝の金子に勝ったらたいしたもんだよ」とおっしゃっていました。
それが「ここしかない!」という場面を逃さずに払巻込で技ありを奪い、見事に初戦突破を果たします。
続く2回戦の相手はまたしても実力者の香川瑞希選手(東海大学)。香川選手は9月の全日本学生体重別選手権大会で準優勝しており、難敵中の難敵です。
ところがこの試合も「ここしかない!」という場面で一本背負投で技あり勝ちして、いよいよ準々決勝に駒をすすめます。
準々決勝の相手は世界ジュニア選手権大会3連覇の優勝候補筆頭・舟久保遥香選手。残念ながらこの試合では寝業師・舟久保選手の術中にはまり抑え込まれて一本負けとなりました。
敗者復活戦にまわった柴田選手は、初戦で今夏の全日本実業柔道体重別選手権大会8強の柳楽祐里選手(JR東日本)に思い切りのいい大内刈で一本勝ちして、いよいよ今日の最後の試合となる3位決定戦を迎えます。
3位決定戦の相手は、2年前の講道館杯優勝者・石川慈選手(コマツ)。この試合では石川選手に一瞬のスキをつかれて絞技で一本負けして、残念な、そして惜しい5位で終わりました。
柴田選手の試合中、アリーナにいる私の後方の観客席には柴田選手のご両親とごきょうだいがおられました。3位決定戦で敗れて、ご家族にかける言葉もないのにあいさつに行った私に「まだまだ修業が足りません」とおっしゃったお母様の言葉が印象的です(さすがお母様♪)。
柴田選手はもっと上を目指していたでしょうから「5位でもすごいじゃん」とはとても言えませんが、今日の3勝はどれもが実力者からの勝利なので、私としては本当によく頑張ったと思いますし、自分の教え子だったらめちゃくちゃほめていたことでしょう。
いよいよ年が明けたら、柴田選手は春から社会人となります。実業団でまだまだ頑張ると聞いていますので、ますます応援し続けたいと思っています。
まずは柴田選手、埼玉栄高校での3年間もたいへんだったでしょうが、筑波大学での4年間もたいへんだったろうと思います。本当におつかれさまでした。
そして、社会人になっても頑張れ、柴田理帆選手!
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初戦の勝負を決めた技あり
準々決勝戦
惜しい!大外落とし!(連続写真)
惜しい!小内巻込!
敗者復活戦
敗者復活戦の勝負を決めた大内刈一本!(連続写真)
3位決定戦