今日は標記大会が講道館で行われました。私の役割は第2試合場審判員です。
私は普段から高校生や大学生の試合の審判員を務めることが多いので、今日は大会前に、全柔連から示されている「国内における少年大会特別規定」を熟読してから審判に臨みました。団体試合決勝戦のジュリー(審判委員)も仰せつかりましたが、おかげさまで特に大きな問題はなく、終了することが出来ました。
この大会を生まれて初めて見て、生まれて初めて審判員をしてみて感じたことが2点あります。
ひとつ目は、小学4~6年生でありながら、すっかり柔道ができあがっていて「すでに完成品」と思える選手が多かったということです。
「小学生にこんなこと教えて、この子はこの先どうするの?」というくらい選手の技術は進んでいます。そのかわりに荒削りだけれども大器を予感させるという選手は少なく感じました。
「少年大会特別規定」で「逆背負投」(通称・韓国式背負投)を禁止したのは、そういう危険な技を小学生に教えて、目先の試合に勝とうとする指導者がいたからです。
全柔連の大会事業委員会では、小学生の全国大会を縮小できないか検討しています。ある大学の有名な指導者ははっきり断言しています。
「小学生の全国大会はいらないですよ。どうせ誰もいなくなるんだし」
これは小学生の時に活躍した選手のほとんどは、その先活躍できなくて表舞台からいなくなるという意味です。全部が全部そうではありませんが、指導者が教えすぎて選手としてのピークが早く来てしまって、その先伸びない選手が多いということは言えるのではないかと思います。
本校にも小学生や中学生が練習に来てくれますが、いざ乱取りをお願いすると、私にどこも持たせてくれない、という選手が実際にはいます。組み合って攻防するのが柔道の醍醐味なのに、今からそれでどうするのかな、と心配になってしまいます。
ふたつ目は、自分の寝技の防御が甘くて脇をすくわれているのに、いざ抑え込まれそうになると「肩、肩」とアピールする選手と監督が多いということです。
私が主審している時にもあったのですが、そんなことアピールする前に、ちゃんと「脇をしめろ」って教えてあげて欲しいです。こんなことを監督さんと一緒になってアピールする小学生に、この先未来はあるのかな、とちょっぴり思ってしまいました。
この写真は、沖縄県代表の真柔会の選手と引率の泰川雅典さんです。泰川さんは日本大学柔道部のひとつ後輩ですが、私にとっては柔道界の恩人です。
特に寝技がまったくできなかった私に泰川さんと神村盛仁さん(ともに沖縄高校(後の沖縄尚学高校)出身)が練習後にいろいろと教えてくれたおかげで今があります。
当時、私は「泰川塾」「神村塾」と呼んで、ふたりから実にいろいろなことを教わりました。19歳で出会って35年になりますが、今も変わらずにおつきあいしてくれていることに感謝しています。
今日は生まれて初めて標記大会の審判員を務め、少年柔道の現状をちょっぴり勉強することができました。大会関係者の皆様に感謝を申し上げます。そしてたいへんおつかれさまでした♪